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 遍路姿

■はじめに /////////////////////////////
「中途半端にしない」「襟を正す」「遍路のあるべき姿」等にこだわります
四国の地では今でも御大師様のファンが多く、遍路をするのであれば、それなり
の正装をすることによって、四国になじむことができると思います
必ずや結願される時に、その意味合いに気づくことだと思います

多くの遍路用品は通販でも取り寄せられます。今の時代ならこの方法が
ベストだと思うし、四国に渡ってから用品を揃えるのではなく、家から出るときに
すでに遍路は始まっていると感じます
最初は恥ずかしいと思うこともあります、しかし、帰路の際には寄り道をしたく
なるほど、自分が誇らしくも感じられると思います。
遍路に出かけられることに感謝しつつも、道中は御大師様に連れていってもらう
と言う感覚が必要だとも思います。

■金剛杖(こんごうづえ)
金剛杖は必ず自分自身で買い求めた物を使用し、決して人の物を使っては
いけません。もらったりしてもだめなんです。新品の金剛杖を自分自身で使い込む
様にして、大切に使い続ければ家宝にも匹敵するくらいの大切な物にもなります
1回の遍路で数センチは削れて短くもなりますが、それだけ歩いたという証
杖先がだんだんとササクレ立ってきますが、それは御大師様の爪として
立派に歩いてきた行い、決して削ることなくそのままの状態にします。
杖がちびてきたり、ササクレ立っているのは遍路の誇りだと思います。

価格にも差が非常にありますが、華美な物を買い求める必要もなく
千円前後の物で充分でしょう。ようは自分自身で使いやすいようにしていく
ことだと思うし、ずっと持ち歩く物ですから木の材質くらいはこだわりたいと
思います。安い物は早く削れると言う話も聞きましたが・・

[補足]
金剛杖には名前を記入する(杖立に立てても人の物と間違えない様に)
反射テープを杖に貼り込む(薄暗い場所を歩くときに威力を発揮する)
木の枝を拾って使わない(誰が使った物かもわからない。業を引き継ぐ)
置き忘れない(どんなことをしても取りに引き返す)

[注意]
□小休止から宿泊にいたるまで、まず自分よりも先に金剛杖に礼を述べ、休んで
いただく。
宿に入る場合は、杖先を洗って床の間など上座にて静養していただく
(こんな話もありましたが、宿のお母さんが「杖を洗うのは私の役目、そうさせて
ください」と言って丁寧に洗われていました。宿によっても色々だと思いますが
私の大切な杖ですと言う気持ちは常に大切に持っていたいと思います)
もちろん、朝には「今日もよろしくお願いします」と挨拶もします

□橋の上などでは、杖を脇に抱え地面を突かない
橋の下で野宿修行をしている人がいるかもしれないので、音を立てないように
する

[事例]
□山道で転んで杖を折ってしまった
御大師様が身代わりになって、あなたを助けてくれたのでしょう
感謝しなくてはいけないですねと話されている方がいらっしゃいました

□クモの巣・蛇・野良犬
朝一番先頭で遍路道に入っていくとクモの巣に悩まされます。
このような場合でも杖を使って道を確保し、導いてもらいます。
蛇と遭遇する場合も多く、シーズンにもよりますが、何十匹と見かけることも
あります。そのような場合には杖で地面を突ききる感じで歩きます
振動を与えながら歩くことによって、蛇は退散します。
野良犬も色々ですが、吠えながら近づいてくると恐怖を感じたりもします
このような場合にも杖を突きつつ、毅然とした態度で対処します
(一度はあまりにもしつこい犬でしたから、地元の方の家に飛び込み助けて
もらったことがあります。。どうしても好きになれない首輪のない犬)

□杖を持つだけで
四国では杖を持っているだけで「遍路さん」になるみたいです

■白衣(はくえ)
必ず白で、背中には「南無大師遍照金剛 同行二人(なむだいしへんじょう
こんごう どうぎょうににん)」と書いてある物を着ます
毎日のように宿に入れば洗濯をしますから、速乾性の生地がいいと思うし
朱印は押してもらわない方がいいと思います。
背中の墨字は自分で書いてもいいのですが、色落ちしないように酢を利用する
のも方法だと聞きました。
白衣に前ポケットがある物は、すごく重宝しました
誰かの白衣と一緒に洗濯をする場合もありましたから、名前の記入は必要
だと思います。

■ズボン
遍路用のズボンというものがありますが、これが体育の授業で使った様な
感じがしますが、大変便利でした。
とにかく速乾性が重要な要素で、洗濯して干せばすぐにでも乾く素材が
ベストであると思います。
(ある宿での話ですが、乾燥機を使って宿のお母さんに怒られている人が
いました。どうも電気容量の問題で電気が飛んでしまうからでしょう。早い時間
に洗濯をして干せば翌日には乾くのにと思いました)
やはり遍路は白装束にと決めたいと思います

■菅笠(すげがさ)
菅笠は大きければ大きい方がいいと思います。遠くからでも遍路と認識して
もらえるため事故などにも予防威力を発揮するし、何よりも直射日光を
遮る効果が得られるからです。難点として突風時が心配でしたが、傘は風に
飛ばされやすい物として、風のある場合は、傘の部分に紐を通して鞄に縛って
いました。飛ばされたとしてもここまでって感じで保険をかけます。

菅笠を購入するとビニールカバーが付いてきます。これは一見雨にはいいと
思いがちですが、菅笠の特徴は雨を通さず通気がいいことです。
この特徴を殺してしまってはどうしようもありません。家で保管するときの用具
として考えた方がいいと思います。
一ヶ月以上もかぶって歩くと、新品に比べてずいぶんと日に焼ける感じが
します。それだけ炎天下を歩いてきたのだと誇りに思うべきだと思いました。

菅笠のかぶり方なんですが、今の者はかぶり方も知らないのかと四国の方に
言われたことがあります。しかし、菅笠を販売しているお店の方も知らないし
菅笠の紐自体はじめから満足いく物がついていません
遍路に出かける前にきちんと調べて、ちゃんと紐を通していった方がいいと
思います。
これだけでも菅笠が飛んでいくと言ったことは軽減されると思います。

■輪袈裟(わげさ)
輪袈裟をあまり軽く考えていては困ります。遍路正装品として重要な物です。
四国と書かれた物も販売されていますが、私のお寺でいただいた物が
ありました。これらをかけられるといいと思います。

こんな話もありましたが、輪袈裟をして汗だくになってくると、白衣に色が
ついてしまいました。どうも色落ちする感じなんです。するとビニールカバーが
ついた輪袈裟をしている人がいて、あれいいなぁと思っていたら
輪袈裟と言う物は基本的に消耗品でもあり、ビニールをかぶせれば、光って
みっともないとも言われました
私の輪袈裟は色落ちしているし、洗濯してアイロンかけたのでテカテカしています
でも、年季が入っていい色しているねぇとも誉められました
色々な見方があるんだなぁと感心はしましたが・・・・

トイレなどに行く場合、輪袈裟を取らなくてはいけませんが、白衣は脱がなくても
いいのです。

■頭陀袋(ずだふくろ)又は、さんや袋
肩からかけるバックですが、色々な呼び方があるし、色々なタイプが売られて
います。共通しているのは「奉納 同行二人」と書いてあることでしょうか
さっと取り出すのには便利な鞄で必需品かと思います。

今売られているさんや袋は横のポケットに500のペットボトルが入るし、携帯も
入る様になっているそうです。段々と進化するんだなと感じます。
雨に多少打たれても平気な防水タイプがやはりいいみたいです。
ただし、水分に当たるとカビも発生する可能性もあると聞きましたから
こまめな手入れも必要みたいです。拭き上げるだけなんですけど

弘法大師像を見ていると、胸のあたりにさんや袋がありそうなので、真似
していたら、調子悪かったです。やはり肩からかける方がいいかな

■脚絆(きゃはん)
さすがに脚絆かぁと思いましたが、時期や場面を考えると理にかなっていると
思いました。特に山間部の遍路道などを歩く場合は時期に応じて、ひっつき種が
容赦なくズボンに貼り付いてきます。速乾性のあるズボンと喜んでいると
このひっつき種にはめちゃ弱いのです。それから雨、朝露などでも汚れを
ある程度防いでくれます。特別な脚絆は必要ないと思いますが、バンダナや
ビニール袋なとで速攻手作りしてもいいと思いました。
しかし、ちゃんとするんだろうと自分に言って、正式な物を用意した方が
いいなと思っています

■数珠(じゅず)
弘法大師像はどれを見ても右手に金剛杖を持ち、左手に托鉢と数珠を
下げています。真言宗の物を使用とも聞きましたが、私は手に付ける
ブレスレットタイプを常時しています。お母さんに聞きましたら遍路はこれで
いいと言われました。

■履き物(はきもの)
履き物選び方や考え方は色々とあり、人それぞれと言うことでしょう
昔の人はわらじを何足もぶらさげて歩いたものですと言われます。
わらじは現代流ではないと思いますが、あえて下駄で歩き続けました
大変珍しがられたり、足は大丈夫かと何度となく聞かれました。あげくには
何か行をしているのですかとも言われました。

下駄で歩き回ったことがない人は色々と聞かれたりもしますが、メリット、デメリット
両方とも兼ね揃えていて、これがいいとは言いません。
でも、私にとっては歩きやすかったことも事実なんです
山間部ではさすがに消耗が激しすぎて、サンダルに履き替えたこともありましたが
結局通しでまわって3足ほどを履き潰しました。

遍路同士でも靴談義はよくしましたが、平らな道を長距離歩く場合
かかとを留める紐の付いたサンダルって有効だと思います。
通気性が抜群(全体をベルトで構成していますからね)で、クッション性も高い
からです。遍路姿としてはどうかなぁと思いましたが、足が痛くなっては
そんなことも言ってはいられません。
これに5本指ソックス(かかとのない物は左右使える)を履けばいいと思います
足の発汗量が多いと思っている私には、とてもではありませんが靴などを
履くということはできないと思います。

それこそ足が痛くて歩けなくなった人にもビーチサンダルみたいな物を奨めると
ある程度の時間は歩ける様になります
指先等は摩擦する場所もありませんから、夕方の大きくなった足にも対応でき
ます。緊急の回避方法としては有効だと思います。

■リュック及び手提げバック
リュックは少し大きめの物を利用して、中には何も入れないと言う気持ちで
考えます。中身については携帯品として考えていきますが、装備を多くして
歩くスピードが遅くなるようなら、遍路として修行にはなると思いますが
デメリットが多すぎます。荷物の総重量が何キロと言う考え方よりも
必要な物しか持ち歩かないと言うことが肝心だと思います。

遍路時期でもそうですが、寒さを感じる時は行かないことです
かさばって重い服を持っていくことも避けたいと思います。
宿に泊まることを基本に考えれば、洗濯なども毎日できますし
洗濯をするのなら即乾性を重視し、洗濯をしなければきたきり雀みたいな
格好がいいのかなぁ

私のリュックは腰ベルトなども付いていましたが、これを利用するほどたくさん
荷物を入れるからいけないのであって、ほとんど利用せず、下駄やサンダルを
ぶら下げるのには重宝しました

遍路協会の方がリュックの上に白い布で「南無大師遍照金剛」と書かれた物を
ぶらさげておられましたが、リュックを背負うと背中の文字が見えなくなるので
あれはいいなぁと感心していました。

手提げバックと言う大した物ではなく、スーパーのビニール袋が有効になるときが
あります。数枚は必要になります



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