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 金剛杖の話

 なぜ、金剛杖を遍路の人は大切にするのか?
 こんなエピソードがあるからだと思います。

●弘法さんの導き
 疲れて歩けないと思っていても、杖を使って歩くと歩けるものです
 弘法さんが見えない力で手助けし、導いてくれるからです

●弘法さんの分身
 遍路が遍路宿に入ると、真っ先に杖を洗い1日の労をねぎらいます。
 ある遍路宿に泊まると、宿の女将さんが出てきて
 「杖を洗うのは私の役目です」と言います。
 弘法さんが遍路を無事宿まで届けてくれたお礼にと洗ってあげます。


●身代わり
 ある時、転んでしまい杖を折ってしまいました。
 それは、あなたが怪我をしないように弘法さんが身代わりになって
 助けてくれたのです


●橋の上では杖をつかない
 十夜ケ橋
 弘法さんが四国巡錫中、このあたりにさしかかった時
 日が暮れてしまい、空腹のまま土橋の下で野宿された。
 わずか一夜のことだったが夜明けまでが十夜の長さにも感じられた
 と歌に詠まれたことから「十夜ケ橋」と名がつき、
 お遍路さんはこの橋の上を通る時は下に大師がおられると
 想像して杖をつかないという風習になりました。

 「行きなやむ浮世の人を渡さずば一夜も十夜の橋と思ほゆ」


●岩屋寺【四国45番札所】
 四国でも多くの札所が寺横まで駐車場を整備しています。
 ただ、岩屋寺は、そのようにして欲しくないと思います。
 昔の人と比べれば車で楽に遍路されているのだから…
 上がれないと思うのなら、杖を2本にしなさい
 きっとお大師様が上らせてくれます。
                階段下の売店での話

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