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■白衣と笈摺(おいずる) |
遍路や巡礼(弘法霊場を回られる方を遍路、観音霊場を回られる方を巡礼と
呼び分けている)されている方が着ている白い服です。
白衣は袖がある物で、袖がない物を笈摺と呼び分けます。

【四国で見つけた陶板画】
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■遍路には白衣 |
昭和初期の写真を見る機会がありました。
男の人も女の人も着物姿です。
ほとんど普段着のままか、よそ行きの着物だったのでしょう。
遍路とわかるのは、菅笠を持ち、手甲、脚絆、杖は今売られている様なもの
ではなく、いかにも木と言った感じの杖です。
昭和初期に、今で言う白衣を着ていた人がいたのかどうかはわかりません。
つまり、白衣を着用する歴史が、そんなに長いことではないと感じました。
今の様にリュックサックがない時代には、行李(こうり:竹や藤などでつづらおり
した旅行カバン)を背負っていたことでしょう。
その場合は着物が擦れて傷んだりする事を防ぐために笈摺を着ていたかも
しれません。
戦後になって、四国を遍路される方々が背中部分に「南無大師遍照金剛」と
書かれた白衣を着られて回られたのでしょう。
今では遍路さんは白衣を着られ、白衣を着られている方は遍路さんと
わかるようになりました。
白衣に袖を通し、白衣を着て歩いていれば遍路になれます。
少し話は外れますが、名古屋から四国に向かう夜行バスに乗るため
名古屋駅に向かいました。
もちろん荷物はなるべく持ちたくないと思い、白衣を着て出かけ
ましたが、やっぱり少し恥ずかしいと最初は思いました。
四国に着けば、白衣を着ている人ばっかりです…。
恥ずかしさとか考える必要もありませんでした。
ある時、道を間違えて進んでいると、「遍路さん、そっちの道じゃない
こっちの道だよ」と声をかけてくれる地元の方がみえました。
やはり白衣の効用ってあると感じました。
そして、遍路が終わり名古屋に戻る時には少し汚れた白衣が
自慢だった気持ちもあります。
毎日汚れて、毎日洗濯して、毎日着ていましたから愛着もあります。
遍路や巡礼に出かけるときは必ず着ていった方がよかったと
感じる瞬間って絶対にあると思います。
着て行けない理由があるのなら別ですが、なければ着た方がいいと
おすすめしておきます。
サラリーマンがなぜスーツを着るのかと同じくらいの感覚なのかな?
愛知霊場でも特に知多四国は着ている方は多いと思います。
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■白衣・笈摺の種類 |
大きく分けて袖付きの白衣と袖無しの笈摺があります。
後は霊場別に弘法霊場なら「南無大師金剛遍照」と書かれた物、
観音霊場なら「南無観世音菩薩」と書かれた物や不動霊場用などが
販売されています。
もちろん何も書かれていない無地の物もあるし、弘法霊場では御詠歌入りの
白衣も販売されています。【下記写真参照】
色々な種類が販売されていますが、「南無大師遍照金剛」と書かれた白衣を
着られる方が一番多く、これだけで観音霊場を回られても構いません。
□説明は写真の下側です

□「南無大師遍照金剛」と書かれた白衣が基本でしょう。
着用もしますが、これを印取りにして着なければ問題なしです。
下記には観音霊場用とかもありますが、私はこれを着て
愛知霊場全部をまわります。

□「南無観世音菩薩」と書かれた白衣です。
観音霊場を巡礼するための白衣です。

□2着目は無地を買いました。この背に毛筆で「南無大師遍照金剛」
と書いていました。多少字が曲がったりもしていますが
愛着たっぷりです。(笑)

□印取り用の白衣です。
御詠歌(ごえいか)入りは、ほとんど霊場専用になりますから
(寺名も入っているため)、各霊場で買い求めます。
四国や板東・西国・秩父などは通販業者からでも買えます。
愛知霊場の中では「知多四国」で販売されています。

□御詠歌入り白衣に朱印をもらった白衣です。
着用はもちろん着て行きますから、朱印はもらいません。
朱印を頂いた白衣は家宝にもなるし、自分が旅立ちする時の
正装にもなります。
朱印は、お寺さんの大切なものであると思いますから着用してはいけません。
白衣を着用すると洗濯したりすることもありますから、洗濯もできなくなって
しまいます。
ただ、例外で着用白衣でも「鶴の印」とか「亀の印」を押されている方は
いらっしゃいます。
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■印取り(御詠歌なし) |
印取りも目安を持って、印を頂かないとバランスが悪くなってしまうことが
あります。
下記に大まかな目安を書いておきましたので参考にしてください

□八十八ヶ所用印取り表
左図が前で、右図が背になります。
袖部分に縦3印、横2印で6印。襟部分から縦8印、横2印で16印
6印と16印足して22印、左右で44印。
前面44印と背面44印で88印になります。
袖無しの場合は、前44印、背44印にすると収まりますから
縦11印にすると、いいかもしれません。

□三十三ヶ所観音霊場用
左図が前・背に印を取るタイプで、右図が背面に全部印をする
タイプです。
三十三ヶ所の様に印が少ない方がバランスが難しいと思います。
右図の様に背面に全部印をする方が八十八ヶ所と同じ感じ感覚で
いいかもしれません。
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■真っ赤な白衣 |
私のお母さんは、最初「西国三十三観音」を朱印して、
それから「秩父三十四観音」「板東三十三観音」、更に再度
「西国三十三観音」を朱印しましたから真っ赤です。
これで「その時が来たら頼むよ」と言ってます…。
ようは旅立つ時に着せてくれと言われるのです。
忘れたら天界から睨まれるだろうなぁ (-""-;)
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■通信販売 |

送料無料で即日発送していただけるので便利
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